出産後にされる産後の「骨盤矯正」をご存じですか？近頃子供を出産された方達で見聞きしたことのない人達はいないんじゃないですか？産後に骨盤矯正が受けられるようになったのは、今から30年くらい前からくらいです。30年前にも産後の「骨盤矯正」はあったのですが、この頃のように一般の人には知られていませんでした。30年前くらいに雑誌やテレビに取り上げられるようになり少しずつ産後の骨盤矯正は世間一般にも知られるようになってきました。

子供を出産する時骨盤は赤ちゃんが骨盤を通り抜けやすいように骨盤の関節が広がります。普段可動しない「骨盤」の関節は出産がちょっとでも簡単になるようにホルモンによって可動性が増し大きく広がります。特に左右の恥骨の間と左右の坐骨の間が左右に広がります。仙骨と腸骨の間の仙腸関節（せんちょうかんせつ）は動きはありますが広がったりはしない。「骨盤」の骨盤の関節が柔らかくなり始めるのは出産より前からで産後最も広く広がります。大きく広がった骨盤は出産後元の場所になります。

通常、産後「骨盤」は元の位置に戻ります。だがしかし、産後元通りに戻らず腰痛や肩こりなどを発症することがあります。どのように骨盤は歪むの？　ズレるの？

妊娠中にお腹の赤ちゃんがちょっとずつ大きくなります。大きくなったお腹の赤ちゃんに「骨盤」が中から押されて「骨盤」がズレます。

日常生活（妊娠中に限らず）で、骨盤がズレるような癖がある。元々骨盤が歪んでいれば、出産後にもその歪みが持続することがある。産後骨盤は子供の出産前の元の状態に戻るが、元々の骨盤の状態がズレていれば、歪んだ状態になります。

産後に「骨盤」は出産前の骨盤になろうとしますが、何らかの要因で戻らず歪んだ状態になることがある。この場合、痛みが出ることがありあります。痛みを発する場所は、恥骨の場合もありますが、腰部に発現する場合もあります。

産後暫くのあいだは、骨盤の仙腸関節は緩くなった状態になっています。その時に子供の授乳などの曲がった姿勢で座る時間が長かったりすると、出産後骨盤が正しく戻った後でもすこしずつ歪んでしまう。

昨今では、産婦人科などでも骨盤のズレに対応して骨盤を不安定な状態から安定させるように締める着ける骨盤ベルトのようなものを使うようにススメる場合もあります。また、テレビ、雑誌、ネットで自分自身で骨盤の関節の歪みを治す骨盤体操なども流布されるようになりました。婦人科で推奨するような骨盤ベルトは骨盤を締めるように「骨盤」の関節を押さえるだけです。婦人科では、どのように「骨盤」が歪んでいるかを検査することはない。出産後「骨盤」が緩んでいることを前提にただ圧迫してあげるだけなのです。骨盤矯正体操は、ストレッチなどのエクササイズや「骨盤」にゴムを巻いて骨盤を動かしたりして骨盤を歪んでいない状態に戻そうとするものなのですが、自分自身の骨盤の状態がどれだけズレているかを知る方法を教えてくれないので自分の骨盤の曲がった状態を理解することはできない。柔軟や「骨盤」を動かす体操をやっても自分の「骨盤」の歪みを知らなければ、正常な骨盤の状態に戻すには、どちらの方向に力を加えていいかわかりません。自分の状態がわかっていないのに行う骨盤矯正のストレッチなどの矯正体操は、動かしているうちに運よく正しい状態になってくれるのではないかという「偶然を願う神頼み」のようなものです。

背骨矯正の専門の治療である「整体」は、「骨盤矯正」の専門家でもあります。「整体」は骨盤の状態を検査して、骨盤の歪みを良い状態に正すように骨盤を矯正する。骨盤を良い状態に戻すには、骨盤の曲がっている状態を確かめることが大切です。骨盤の状態を理解していなければ、どの方向に骨盤を矯正すれば元に戻すことができるかわからない。前述の一般人が行う「骨盤矯正」は、骨盤の状態を考えずに矯正を行う為、最悪歪みが大きく悪化することもあります。このようなことは珍しいことではありません。産後の「骨盤矯正」を考えるのであれば、整体で施術するのが最も推奨されます。またエステのような所の「骨盤矯正」は、個人の印象ですが、「骨盤」のズレが無くても、大げさに骨盤が歪んでいるとお客を不安な気持ちにさせ不必要な調整を長期にわたってする傾向が強いように思います。正直信用できないところも多いような気がします。

最近の骨盤矯正の広告を見ると、産後の「骨盤矯正」は必ず必要と言わんばかりの宣伝文句が目につきます。「骨盤矯正」は産後どうしても必要とするのでしょうか？その答えは「NO」。骨盤矯正がどうしても必要なくらい体に影響するのであれば、「骨盤矯正」が無かった時代はどーだったのでしょうか？骨盤矯正が存在しなかった時でもなんの問題もなく人間は子供を産んでいました。出産後の「骨盤」の大多数は、出産前の正しい状態に自然に戻ります。しかしその中には産後に「骨盤」が曲がってしまう方達がわずかながらいます。大多数の方達は、産後の骨盤矯正はいりません。骨盤矯正が必要な方達は、産後何らかの異常を感じた場合だけです。産後の骨盤のズレが気になるのであれば、正しく検査をしてくれる整体に通いましょう。まともな「整体」は、「太りやすくなる」「体形が崩れる」などと言って「骨盤矯正」をすすめることはありません。まともな「整体」では、曲がっていない骨盤を曲がっていると言って必要のない「骨盤矯正」をすすめることはありません。普通の方は、産後の「骨盤矯正」は必要でないことを知っておいて下さい。

骨盤のズレを放置すると「体形が崩れる」「下半身太りになる」「太りやすくなる」など必要もないのに産後の「骨盤矯正」をすすめる整体などは一度良く考えてからにして下さい。出産後に「体形が崩れる、太ったり」のは骨盤が歪んだのが要因でしょうか？このようなことの要因の大多数は骨盤ではなく習慣です。子供ができて習慣が変化すると、体重が増えたりして体形が変化することは珍しくありません。しかし、産後の「骨盤矯正」を宣伝するエステや整体の治療院は、産後の体形の変化を全て「骨盤」の歪みのせいにして、「骨盤矯正をすれば体形をもどせます」と広告するのです。体形の変化の要因が骨盤のズレであれば、骨盤の歪みを修正するだけで体形を元に戻すことができるはずですが、「骨盤矯正」だけで体が元どうりに戻る方は少数です。ですので、ダイエットサプリやストレッチなどのエクササイズも同時に処方しようとする治療院が多く、「骨盤矯正」では体形は元にもどせないと証明しているのと同じことです。「骨盤矯正」に過度の期待をすることは大きな間違いです。怪しいエステや治療院には気を付けて下さい。