椎間板ヘルニアとは何か

椎間板ヘルニアとは、背骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が、老化や負担によって破れて飛び出し、神経を圧迫して痛みやしびれなどの症状を引き起こす病気です。椎間板ヘルニアは、腰椎（腰の骨）に多く発生し、腰痛や坐骨神経痛といった症状をもたらします12。

椎間板ヘルニアの原因と症状

椎間板ヘルニアの原因は、椎間板の老化や、重いものを持ち上げたり、腰を曲げたりするような動作による椎間板への負担が主に考えられます。また、遺伝的な要因や、喫煙や肥満などの生活習慣も影響すると言われています12。椎間板ヘルニアの症状は、椎間板が飛び出した部位や神経の圧迫の程度によって異なりますが、一般的には、腰痛や、お尻から足にかけての痛みやしびれ、足の力の低下などが見られます。重症な場合には、尿や便の失禁や感覚障害などの神経障害が起こることもあります12。

椎間板ヘルニアの診断と治療法

椎間板ヘルニアの診断は、症状や触診、神経学的検査などのほか、レントゲンやMRIなどの画像診断が必要です。椎間板ヘルニアの治療は、症状の程度や患者の年齢や体力などによって異なりますが、基本的には保存的な治療が行われます。保存的な治療とは、安静や湿布、鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬物療法、牽引やマッサージなどの物理療法、運動療法やリハビリテーションなどの機能回復を目的とした治療です。手術は、保存的な治療が効果がない場合や、神経障害が進行している場合に限られます12。

鍼灸治療で椎間板ヘルニアは改善できるのか

鍼灸治療は、椎間板ヘルニアの痛みを緩和し、痛みが出にくいからだ（姿勢）づくりを目指す治療法です。鍼灸治療は、鍼やお灸などの刺激によって、血行や神経の働きを改善し、筋肉や関節の緊張をほぐします。これにより、椎間板や背骨にかかる負担を減らし、椎間板の回復を促します34。

鍼灸治療のメカニズムと効果

鍼灸治療のメカニズムと効果としては、以下のようなものが挙げられます。

鍼やお灸による刺激が、痛みを感じる神経の伝達を遮断し、痛みを和らげる。
鍼やお灸による刺激が、脳内に鎮痛物質やリラックスホルモンを分泌させ、痛みやストレスを軽減する。
鍼やお灸による刺激が、血管を拡張させて血流を促進し、炎症や痛みの原因となる物質を排出する。
鍼やお灸による刺激が、筋肉や筋膜の緊張やこりをほぐし、関節の可動域を広げる34。

鍼灸治療の副作用と注意点

鍼灸治療の副作用と注意点としては、以下のようなものが挙げられます。
鍼灸治療は、基本的には安全で副作用の少ない治療法ですが、個人差や体調によっては、鍼刺入部の出血や痛み、お灸部のやけどや色素沈着、治療

鍼灸治療の種類とその効果

鍼灸治療には、様々な種類がありますが、ここでは椎間板ヘルニアに効果的なものを2つご紹介します。

毫鍼やお灸を使った治療

毫鍼やお灸を使った治療は、椎間板ヘルニアの痛みや炎症を緩和するために、患部や関連するツボに鍼やお灸を施す方法です。毫鍼は、髪の毛ほどの細さの鍼で、皮膚に刺入する際の痛みが少ないです。お灸は、艾（もぐさ）というハーブを燃やして、温熱刺激を与える方法です。鍼やお灸によって、血流や神経の働きを改善し、筋肉や関節の緊張をほぐします。これにより、椎間板や背骨にかかる負担を減らし、椎間板の回復を促します12。

鍼通電療法や円皮鍼を使った治療

鍼通電療法や円皮鍼を使った治療は、鍼に電気刺激を加えることで、より強力な効果を得る方法です。鍼通電療法は、鍼に低周波を流すことで、血管を拡張させて血流を促進し、筋肉の緊張や痛みを和らげます。円皮鍼は、シールに小さな鍼がついているもので、貼ったまま生活できるので、鍼灸院の鍼治療の効果を持続させるために使用されます