片頭痛に関するQ&A：よくある質問と回答

片頭痛とはどんな病気ですか？

片頭痛とは、激しい頭痛を伴う神経学的な疾患です。片頭痛の頭痛は、通常、片側の頭に起こり、拍動するような痛みです。また、吐き気や嘔吐、光や音に対する過敏などの症状も伴います。片頭痛の発作は、数時間から数日間続くことがあります。片頭痛の原因やメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、脳内の神経伝達物質や血管の変化が関係していると考えられています。

・片頭痛はどれくらいの人がかかっていますか？

片頭痛は、世界的に見ても非常に多くの人がかかっている疾患です。世界保健機関（WHO）によると、世界の成人の約15%が片頭痛を経験しています。日本では、国民健康・栄養調査によると、成人の約8.4%が片頭痛を訴えています。片頭痛は、女性に多く見られる傾向があります。女性の約15%、男性の約4%が片頭痛を経験しています。また、年齢的には、20代から40代にかけて発生しやすいとされています。

・片頭痛は遺伝するのですか？

片頭痛は、遺伝的な要素が強いと考えられています。片頭痛患者の約70%には、家族歴があります。つまり、親や兄弟姉妹などにも片頭痛があるということです。また、一卵性双生児の場合、一方が片頭痛であれば、もう一方も片頭痛である確率が高いという報告もあります。しかし、遺伝だけではなく、生活習慣やストレスなどの環境的な要因も影響します。遺伝的に片頭痛の素因があっても、発作を起こさない人もいますし、逆に素因がなくても発作を起こす人もいます。

片頭痛を予防するためにはどうすればいいですか？

片頭痛を予防するためには、以下のようなことに注意することが有効です。

・トリガーを避ける

トリガーとは、片頭痛の発作を誘発する要因のことです。トリガーは、人によって異なりますが、例えば以下のようなものがあります。

ストレスや睡眠不足などの生活習慣の乱れ
ホルモンバランスの変化や生理周期などの身体的な変化
アルコールやチーズなどの食べ物や飲み物
天気や気圧の変化などの環境的な変化
強い光や音などの刺激

トリガーを避けることで、発作の発生頻度や重症度を減らすことができます。自分のトリガーを把握するためには、ヘッドエイクダイアリーをつけることが有効です。

・予防薬を服用する

予防薬とは、片頭痛の発作を予防するために定期的に服用する薬のことです。予防薬は、発作が頻繁に起こる人や重症な人に処方されます。予防薬は、神経伝達物質や血管の働きを調節し、発作のメカニズムを抑制します。予防薬には、以下のような種類があります。

β遮断薬：血圧や心拍数を下げる効果がある
カルシウム拮抗薬：血管の収縮を抑える効果がある
抗うつ薬：セロトニンなどの神経伝達物質の分泌を調節する効果がある
抗てんかん薬：神経細胞の興奮を抑える効果がある
CGRP受容体拮抗薬：CGRPという片頭痛に関係するペプチドの働きを阻害する効果がある

予防薬は、医師の指示に従って適切な種類や量を服用しましょう。予防薬は、即効性がなく、副作用もある場合があります。そのため、服用を始めてもすぐに効果が出ない場合や、副作用が気になる場合でも、自己判断で中止しないでください。医師と相談してください。

片頭痛はどんな診断方法でわかりますか？

片頭痛は、主に症状や経過から診断されます。医師は、以下のようなことを聞いて診断します。

・頭痛の特徴

頭痛の特徴として、以下のようなことを聞かれます。

頭痛の部位：片側か両側か、前頭部か後頭部かなど
頭痛の性質：拍動するような痛みか圧迫感かなど
頭痛の程度：10段階評価や視覚的アナログスケール（VAS）などで評価
頭痛の持続時間：数時間から数日間か、それ以上かなど
頭痛の頻度：1ヶ月に何回起こるか、周期性があるかなど
頭痛の誘発因子：ストレスや食べ物などで起こりやすいかなど

片頭痛の頭痛は、通常、以下のような特徴があります。

片側の頭に起こり、拍動するような痛みである
中程度から重度の痛みである
日常生活に支障をきたすほどの痛みである
運動や活動で悪化する痛みである
4時間以上持続する痛みである
特定のトリガーで誘発される痛みである

・伴存症状

伴存症状として、以下のようなことを聞かれます。

オーラ：視覚障害や感覚障害などがあるかどうか
吐き気や嘔吐：頭痛と同時に起こるかどうか
光や音に対する過敏：頭痛が悪化するかどうか
その他の症状：めまいや耳鳴りなどがあるかどうか

片頭痛は、通常、以下のような伴存症状があります。

オーラ：約20～30%の人に見られる神経学的な前兆
吐き気や嘔吐：約80%の人に見られる消化器系の不快感
光や音に対する過敏：約90%の人に見られる感覚過敏
その他の症状：めまいや耳鳴りなどが一部の人に見られる

・家族歴や既往歴

家族歴や既往歴として、以下のようなことを聞かれます。

家族歴：親や兄弟姉妹などに片頭痛があるかどうか
既往歴：過去に片頭痛を診断されたことがあるかどうか
合併症：高血圧や糖尿病などの他の疾患があるかどうか
服薬歴：現在服用している薬やサプリメントがあるかどうか

片頭痛は、以下のような家族歴や既往歴が関係しています。

家族歴：約70%の人に家族歴があり、遺伝的な要素が強いと考えられている
既往歴：約50%の人は10歳代までに発作を経験しており、発生年齢は女性は20代前半、男性は10代後半が多いとされている
合併症：高血圧や糖尿病などの循環器系の疾患や、うつ病や不安障害などの精神疾患との合併が多いとされている
服薬歴：避妊薬やホルモン補充療法などの女性ホルモンに関係する薬や、一部の抗うつ薬や抗てんかん薬などが、片頭痛の発作を誘発する可能性があるとされている

以上のように、医師は、症状や経過、家族歴や既往歴などから片頭痛を診断します。しかし、片頭痛は、他の頭痛と区別することが難しい場合もあります。その場合は、以下のような検査を行うことがあります。

・血液検査

血液検査は、片頭痛の原因となる可能性のある他の疾患を除外するために行われます。例えば、以下のようなものがあります。

貧血：赤血球やヘモグロビンの量が減少し、酸素不足によって頭痛が起こる場合がある
甲状腺機能亢進症：甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、血圧や心拍数が上昇し、頭痛が起こる場合がある
脱水：水分不足によって血液の粘度が高くなり、血流が悪くなり、頭痛が起こる場合がある

・画像検査

画像検査は、脳や血管に異常がないかを確認するために行われます。例えば、以下のようなものがあります。

CT（コンピュータ断層撮影）：X線を使って脳の断面像を撮影する検査で、脳出血や脳腫瘍などを見つけることができる
MRI（磁気共鳴画像法）：強力な磁気を使って脳の詳細な画像を撮影する検査で、CTよりも高解像度で脳や血管の異常を見つけることができる
MRA（磁気共鳴血管造影法）：MRIに造影剤を用いて血管の画像を撮影する検査で、動脈瘤や血栓などを見つけることができる

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