頭痛の種類により薬物療法

頭痛の種類によって、使用する薬は異なります。頭痛は主に「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」に分類され、それぞれに適した薬物療法が行われます。

 

1. 片頭痛

片頭痛はズキズキとした痛みを伴い、しばしば吐き気や光や音に対する過敏が特徴です。

  • 急性期治療:
    • トリプタン系薬: 片頭痛の痛みを抑えるのに効果的で、セロトニン受容体に働きかけ、血管の収縮を促します。
      • 例: スマトリプタン、ゾルミトリプタンなど
    • エルゴタミン系薬: 血管収縮作用があり、片頭痛の急性期に使用されますが、近年では副作用が懸念され使用頻度が減少しています。
    • 鎮痛剤: 軽度の片頭痛には、アスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)が使われます。
  • 予防治療:
    • β遮断薬: 血管拡張を抑え、片頭痛の発症頻度を減らす効果があります。
      • 例: プロプラノロール
    • 抗てんかん薬: 片頭痛の予防に使用されることがあり、脳の神経活動を安定化させる効果があります。
      • 例: トピラマート
    • カルシウム拮抗薬: 血管の収縮・拡張を調整し、片頭痛の発作予防に使用されます。
      • 例: ベラパミル

2. 緊張型頭痛

緊張型頭痛は、首や肩の筋肉の緊張が原因で、締め付けられるような痛みが特徴です。

  • 鎮痛剤: 軽度から中程度の痛みには、アセトアミノフェンやNSAIDs(イブプロフェンやアスピリンなど)が有効です。
  • 筋弛緩薬: 筋肉の緊張が強い場合、筋弛緩薬(メトカルバモールなど)を使用することがあります。
  • 抗うつ薬: 慢性的な緊張型頭痛には、低用量の三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど)を使用し、頭痛の発生頻度を抑えることがあります。

3. 群発頭痛

群発頭痛は非常に激しい片側の痛みが特徴で、目の充血や鼻詰まりを伴うことが多く、通常は夜間に発作が起こります。

  • 急性期治療:
    • トリプタン系薬: 片頭痛と同様にトリプタンが効果的ですが、注射や鼻スプレーの形で使用されることが多いです。
      • 例: スマトリプタン注射や鼻スプレー
    • 酸素吸入療法: 純酸素を吸入することで、群発頭痛の発作を和らげる効果があります。
  • 予防治療:
    • カルシウム拮抗薬: 血管の収縮を調整し、発作を予防します。
      • 例: ベラパミル
    • ステロイド薬: 発作の頻度を抑える目的で短期間使用されることがあります。

 

2025年2月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : okada-minoru-home