片頭痛の原因と対策

片頭痛は、脈を打つようにズキンズキンと痛み、動くと悪化するのが特徴です。 頭の左右どちらかの片側が痛む人が約6割、両側が痛む人が約4割とされています。 強い吐き気を覚え、おう吐をしてしまうなど、日常生活に影響が出ます。 日本で片頭痛がある人は、約840万人と推計され、女性に多くみられます。

片頭痛の特徴と発作の引き金

片頭痛は、脳の視床下部が関係して起こると考えられています。 視床下部は、ホルモンや体温の調整、心臓の機能維持などの重要な働きをしています。 この視床下部で脳の電位・脳内物質などの何らかの変化が起こると、顔の皮膚の感覚を伝える三叉（さんさ）神経に炎症が起こったり、脳内の血管が拡張して三叉神経を刺激したりして、痛みが起きます。

片頭痛には主な引き金があります。 月経・排卵 出産後・更年期 寝不足・寝過ぎ 空腹 ストレス・ストレスからの解放 まぶしい光・強いにおい 人混み・騒音 天候の変化 温度の変化・高い湿度 アルコール これらの引き金は、個人差がありますが、視床下部に何らかの影響を与えて片頭痛を誘発すると考えられています。

片頭痛の治療法と予防法

片頭痛の治療法は、発作時に痛みをやわらげる薬物療法と、発作を予防する薬物療法があります。 発作時には、非ステロイド性消炎鎮痛薬（NSAIDs）やトリプタンという薬が効果的です。 NSAIDsは、炎症を抑えて痛みをやわらげる薬で、市販の頭痛薬にも含まれています。 トリプタンは、三叉神経の周囲の炎症を抑える作用と、脳の血管を収縮させる作用があります。 ただし、トリプタンは、脳梗塞や心筋梗塞などの循環器系の疾患がある人や重い高血圧や肝臓病などのある人は使用できません。

片頭痛の予防法は、発作の引き金を避けることと、規則正しい生活を送ることが基本です。 また、ストレスや筋肉のコリなどを解消する方法も有効です。 さらに、予防薬としてβ遮断薬やカルシウム拮抗剤などが使われることもあります。 予防薬は、発作の頻度や強さを減らす効果がありますが、副作用もあるため、医師の指示に従って服用する必要があります。

緊張型頭痛の原因と対策

緊張型頭痛は、日本に約2000万人いると推計されている最も多い頭痛です1。 頭から首、背中にかけての筋肉のコリや張りによって、痛みを感じる神経が刺激されることで痛みが起こると考えられています。 緊張型頭痛は生活習慣が原因で起こりやすく、精神的ストレスも関係しています。

緊張型頭痛の特徴と生活習慣の影響

緊張型頭痛は、重く圧迫されるような全頭性の頭痛で、拍動性ではありません。 緊張型頭痛は一般的に強度が低く、日常生活に支障は出ませんが、持続時間には個人差があります。 30分程度で収まることもあれば、1週間程度続くこともあります。

緊張型頭痛の原因の多くは、生活習慣が関係しています。 デスクワークや車の運転などでうつむいた姿勢をとっているときが要注意です。 長時間同じ姿勢でいることから、夕方や仕事の終わりごろに頭痛が起こりがちです。 また、姿勢や歩き方などの体の使い方に注意することや、ストレスや疲労の蓄積を防ぐことや、食事や睡眠などの生活習慣を改善することなどが重要です。

緊張型頭痛の治療法と予防法

緊張型頭痛の改善は、生活習慣の見直しが基本です。 それでも症状が十分に改善しない場合は、内科やかかりつけ医を受診しましょう。 強い精神的ストレスが原因として疑われる場合は、頭痛外来や神経内科、心療内科など、専門医がいる医療機関を受診してください。

痛みが強いときは、非ステロイド性消炎鎮痛薬（NSAIDs）などののみ薬で対処しますが、1週間に3日以上使わないように注意します。 薬の使い過ぎによって頭痛が悪化することもあります。 また、筋肉のコリをほぐすために、マッサージや温湿布なども有効です。 頭部や首筋のストレッチもおすすめです。

群発頭痛の原因と対策

群発頭痛は、20～40歳代や男性に多いのが特徴です。 目の奥が激しく痛むほか、目の充血、涙や鼻水が止まらないなどの症状を伴います。 群発頭痛は、脳の視床下部という場所が関係して起こると考えられています。 何らかの原因によって視床下部が刺激を受けると、頭部に分布する三叉神経という神経が痛みを感じます。 そのために、三叉神経がつながっている目の奥の辺りに激痛が起こります。

群発頭痛の特徴と発作の周期

群発頭痛は、1～2か月間ほど毎日のように起こり、この期間を群発期と呼びます。 群発頭痛は、1回の群発期で治まる場合もありますが、典型的なケースでは10年以上にわたり、半年～2年おきに群発期を繰り返します。 群発頭痛の症状は1～2時間ほど続き、夜から明け方に起こることが多いとされています。 特に、眠ってから2時間ほどで起こることが多くみられます。 また、毎日ほぼ同じ時間帯に起こるのが特徴です。

群発頭痛が起こると痛みだけが理由ではなく、興奮した状態になって動き回ったり、気分が落ち着かなくなったりします。 痛みは「目がえぐられるような」あるいは「きりで刺されるような」激しい痛みで、発作中は痛くてじっとしていることができず、部屋中を動き回ったり、時には頭をぶつけたりします。

群発頭痛の治療法と予防法

群発頭痛の治療法は、発作時に痛みをやわらげる薬物療法と、発作を予防する薬物療法があります。 発作時には、トリプタンやエルゴタミンという薬を鼻から吸引する方法や注射する方法が効果的です。 また、酸素吸入も有効です。 発作を予防する薬物療法には、バルプロ酸ナトリウムやリチウムなどの薬が使われます。 これらの薬は、視床下部の働きを調整する効果があると考えられています。

群発頭痛の予防法は、発作の引き金を避けることと、規則正しい生活を送ることが基本です。 また、ストレスや筋肉のコリなどを解消する方法も有効です。 群発頭痛の引き金には、アルコールやニコチンなどがあります。 これらの物質は、視床下部に何らかの影響を与えて群発頭痛を誘発すると考えられています。

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