背中の痛みに関する調査や統計データ

日本における慢性疼痛の有病率と疼痛部位

背中の痛みは、日本人に多く見られる慢性的な健康問題です。しかし、背中の痛みだけでなく、全身に長期間にわたって持続する慢性的な痛みは、生活の質や仕事の能力に大きな影響を及ぼします。ここでは、日本における慢性疼痛の有病率と疼痛部位について紹介します。

背骨の歪み

慢性疼痛の定義と有病率

慢性疼痛とは、一般的には6か月以上続く痛みのことを指します。慢性疼痛は、急性疼痛とは異なり、身体の組織の損傷や炎症などの明確な原因がない場合もあります。また、慢性疼痛は、身体だけでなく、心理や社会的な要因にも影響されます。慢性疼痛は、治るということはありませんが、管理することは可能です。

背中の痛み

日本における慢性疼痛の有病率は、厚生労働省が2006年に行った調査によると、18歳以上の男女で13.4%と推定されています。年代別では、18歳以上29歳以下では9.2%,30歳以上49歳以下では12.9%,50歳以上では15.4%と年齢とともに増加しています。性別別では、男性で12.9%,女性で13.9%であり、有意差は見られませんでした。地域別では、北海道が17.0% と最も高く,東海が12.5% と最も低いです。

慢性疼痛の主な部位と原因

慢性疼痛の部位は、個人差がありますが、一般的には以下のような部位が多く見られます。

背骨の痛み

  • 背中:背中の下部が58.6%,上部が28.8%で最も多い部位です。背中の筋肉や関節,神経に負担がかかることが原因です。特に,腰椎椎間板ヘルニアや変形性脊椎症などの脊椎関連の障害や,坐骨神経痛などの神経関連の障害が多く見られます。
  • 肩:肩が38.7%で次に多い部位です。肩の筋肉や関節,神経に負担がかかることが原因です。特に,四十肩や五十肩などの関節周囲炎や,頸肩腕障害(RSI)などの過労性障害が多く見られます。
  • 頭:頭部が29.7%で三番目に多い部位です。頭部の血管や筋肉,神経に負担がかかることが原因です。特に,偏頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛や,副鼻腔炎や頚椎症などの二次性頭痛が多く見られます。

慢性疼痛の原因は、部位によって異なりますが、一般的には以下のような要因が考えられます。

背中の痛みの治し方

  • 外傷や感染症などの身体的な刺激:事故や手術などで身体に損傷を受けたり,風邪やインフルエンザなどで感染したりすると,炎症や組織の修復過程で痛みが生じます。このような急性的な痛みは,原因が取り除かれれば治まりますが,場合によっては慢性化することがあります。
  • ストレスや不安などの心理的な刺激:仕事や家庭などでストレスを感じたり,不安や恐怖などのネガティブな感情を抱いたりすると,自律神経やホルモンのバランスが乱れて,身体に痛みを引き起こすことがあります。このような心因性の痛みは,心理的な問題が解決されれば治まりますが,場合によっては慢性化することがあります。
  • 加齢や生活習慣などの生活的な刺激:年齢とともに身体の機能が低下したり,運動不足や肥満などの生活習慣が悪かったりすると,身体に負担がかかって,痛みを引き起こすことがあります。このような生活性の痛みは,生活改善や予防策を行えば治まりますが,場合によっては慢性化することがあります。

慢性疼痛の生活への影響と治療に対する意識

背中の痛みを含む慢性的な痛みは、日常生活や仕事に大きな影響を及ぼします。また、慢性疼痛に対する治療は、多くの場合、満足のいく結果を得られません。ここでは、慢性疼痛が生活に及ぼす影響と治療に対する意識について紹介します。

背骨の痛みの治し方

慢性疼痛が及ぼす仕事や家事への影響

慢性的な背中の痛みやその他の部位の痛みは、仕事や家事を行う際に支障をきたします。厚生労働省が2006年に行った調査によると、過去6カ月間に「痛み」のために仕事や学校,家事を休んだことがあると回答した慢性疼痛保有者は34.5%でした。また,「痛み」のために仕事や学校,家事の内容や量を変えたことがあると回答した慢性疼痛保有者は50.8%でした。このように,慢性疼痛は,生産性や活動性に大きな影響を与えます。

背中の痛みと整体の治療

慢性疼痛が仕事や家事に及ぼす影響は,部位や程度によって異なりますが,一般的には以下のようなものがあります。

  • 背中の痛み:背中の痛みは,姿勢や動作に関係するため,立ったり座ったりすることや,物を持ったり運んだりすることなどに困難を感じます。特に,腰部の痛みは,腰を曲げたり伸ばしたりすることや,重いものを持ち上げることなどに影響します。背中の痛みは,デスクワークや工場作業などの仕事や,掃除や洗濯などの家事に支障をきたします。
  • 肩の痛み:肩の痛みは,腕や首の動きに関係するため,手を上げたり前に出したりすることや,首を回したり傾けたりすることなどに困難を感じます。特に,肩甲骨周辺の痛みは,肩甲骨を動かすことや,背中を反らすことなどに影響します。肩の痛みは,パソコン操作や運転などの仕事や,料理やアイロンかけなどの家事に支障をきたします。
  • 頭の痛み:頭の痛みは,集中力や判断力に関係するため,思考や記憶に困難を感じます。特に,偏頭痛は,光や音などの刺激に敏感になったり,吐き気やめまいなどの他の症状を伴ったりします。頭の痛みは,勉強や会議などの仕事や,子育てや買い物などの家事に支障をきたします。

慢性疼痛に対する治療の受け方や満足度

慢性的な背中の痛みやその他の部位の痛みは、多くの場合、根本的な治癒が難しいです。そのため、慢性疼痛に対する治療は、主に、痛みの原因となっている病気の治療や,痛みを和らげる薬や注射などの対症療法,痛みと上手に付き合うための心理療法やリハビリテーションなどの非薬物療法などがあります。しかし,慢性疼痛に対する治療は,多くの場合,満足のいく結果を得られません。ここでは,慢性疼痛に対する治療の受け方や満足度について紹介します。

背中の痛みとカイロプラクティックの治療

慢性疼痛に対する治療の受け方は,個人差がありますが,一般的には以下のようなものがあります。

  • 医療機関での治療:慢性疼痛に対する治療は,主に医師や看護師などの医療従事者から受けます。厚生労働省が2006年に行った調査によると,慢性疼痛保有者の95.4%が医療機関で治療を受けていました。診療科別では,整形外科が45.0%と最も多く,次いで内科や神経内科などが多く見られました。ペインクリニックは0.8%と低かったです。
  • 市販薬や民間療法での治療:慢性疼痛に対する治療は,自分で市販薬を購入したり,民間療法や健康食品などを試したりすることもあります。厚生労働省が2006年に行った調査によると,慢性疼痛保有者の32.1%が市販薬を使用していました。また,民間療法や健康食品などを使用している人も多く見られました。
  • 自己管理や予防策での治療:慢性疼痛に対する治療は,自分で適度な運動やストレッチをしたり,姿勢や生活習慣を改善したりすることもあります。厚生労働省が2006年に行った調査によると,慢性疼痛保有者の52.9%が運動やストレッチを行っていました。また,姿勢や生活習慣の改善に努めている人も多く見られました。

慢性疼痛に対する治療の満足度は,個人差がありますが,一般的には低いと言われています。厚生労働省が2006年に行った調査によると,慢性疼痛保有者の22.4%しか治療によって満足のいく程度に痛みを和らげたと回答していませんでした。また,慢性疼痛保有者の67.1%が痛み止めの薬による副作用が心配だと回答していました。

背骨の歪みと整体の治療

慢性疼痛に対する治療の満足度は,部位や程度によって異なりますが,一般的には以下のような要因が考えられます。

  • 治療の効果や持続性:慢性疼痛に対する治療は,多くの場合,一時的にしか効果が現れなかったり,効果が出なかったりします。特に,根本的な原因が分からない場合や,複数の部位や原因がある場合は,治療の効果や持続性が低くなります。
  • 治療の選択肢やアクセス:慢性疼痛に対する治療は,多くの場合,医師や看護師などの医療従事者から受けますが,その中でも専門的な知識や技術を持つ人は少ないと言われています。特に,ペインクリニックやペインマネジメントチームなどの専門的な診療体制は,全国的に不足しています。
  • 治療の費用や負担:慢性疼痛に対する治療は,多くの場合,自己負担が高かったり,時間や交通費などの負担が大きかったりします。特に,市販薬や民間療法や健康食品などの自費診療は,保険適用外であることが多く,費用が高くなります。

慢性疼痛の治療ガイドラインと診療モデル

背中の痛みを含む慢性的な痛みは,根本的な治癒が難しいため,痛みと上手に付き合うための治療が必要です。しかし,慢性疼痛に対する治療は,多くの場合,効果的でなかったり,満足できなかったりします。ここでは,慢性疼痛に対する治療ガイドラインと診療モデルについて紹介します。

背骨の歪みとカイロプラクティックの治療

慢性疼痛治療ガイドラインの内容と目的

慢性疼痛治療ガイドラインとは,慢性疼痛に対する診断や治療に関する最新の科学的根拠や専門家の意見をまとめたものです。慢性疼痛治療ガイドラインの目的は,医師や看護師などの医療従事者が,慢性疼痛に対する最適な治療を提供できるように支援することです。

背中の痛みを改善する方法

日本では,厚生労働省が2009年に「慢性疼痛治療ガイドライン」を作成しました。このガイドラインでは,以下のような内容が示されています。

  • 慢性疼痛の定義と分類:慢性疼痛は,6か月以上持続するか,予想される組織の修復期間を超えて持続するか,再発するかしたものと定義されます。また,慢性疼痛は,原因や機序によって,癌性疼痛,非癌性疼痛,神経障害性疼痛などに分類されます。
  • 慢性疼痛の評価と診断:慢性疼痛の評価と診断は,患者の主訴や既往歴,身体所見,検査所見などをもとに行います。また,慢性疼痛の程度や影響を評価するために,視覚的アナログスケール(VAS)や日本版ブリーフペインインベントリー(BPI)などの尺度を用いることが推奨されます。
  • 慢性疼痛の治療方針と方法:慢性疼痛の治療方針は,患者の希望や目標,身体的・心理的・社会的な要因,合併症や副作用などを考慮して決めます。また,慢性疼痛の治療方法は,薬物療法,非薬物療法,侵襲的治療などがあります。薬物療法では,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤などを用います。非薬物療法では,心理療法やリハビリテーションなどを用います。侵襲的治療では,ブロック注射や神経刺激などを用います。

慢性疼痛診療システム普及・人材養成モデル事業の概要と目的

慢性疼痛診療システム普及・人材養成モデル事業とは,厚生労働省が2022年度から実施している事業です。この事業では,慢性疼痛に対する診療モデルの実践や人材育成を行うことで,慢性疼痛診療の普及・拡大を目的としています。

背骨の痛みを改善する方法

この事業では,以下のような内容が行われています。

  • 診療モデルの実践:慢性疼痛に対する診療モデルとして,ペインクリニックを核とし,地域の医療機関と連携したチーム医療を行います。また,患者の自己管理能力を高めるために,ペインマネジメントプログラムやテレヘルスなどを活用します。
  • 人材育成:慢性疼痛に対する人材育成として,ペインクリニックや地域の医療機関の医師や看護師などに対して,慢性疼痛治療ガイドラインに基づいた教育やトレーニングを行います。また,患者や家族に対しても,慢性疼痛に関する情報提供や相談支援を行います。

この事業の目的は,慢性疼痛に対する診療モデルの実践や人材育成を通じて,慢性疼痛に苦しむ患者の生活の質(QOL)の向上や社会参加の促進を図ることです。

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2023年9月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : okada-minoru-home