側弯症(そくわんしょう)は、背骨が左右に湾曲し、回旋を伴う状態を指します。側弯症にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や原因が異なります。以下に主な種類とその特徴をまとめます。
1. 特発性側弯症(Idiopathic Scoliosis)
- 特徴: 側弯症の中で最も一般的(約80%以上を占める)で、明確な原因が分かっていない。
- 発症時期:
- 幼児型: 0~3歳
- 小児型: 4~10歳
- 思春期型: 10歳以降(特に思春期の女子に多い)
- 症状: 背中や腰の左右の高さが異なる、片方の肩が上がっているなど。
- 進行性: 成長期に進行しやすい。
2. 先天性側弯症(Congenital Scoliosis)
- 特徴: 胎児期における脊椎の発達異常が原因で発生。
- 発症時期: 出生時または幼少期に診断されることが多い。
- 症状: 脊椎が未完全に形成されたり、いくつかの椎骨が癒合している。
- 進行性: 成長とともに変形が悪化することがある。
3. 神経筋性側弯症(Neuromuscular Scoliosis)
- 特徴: 神経や筋肉の疾患(脳性麻痺、筋ジストロフィーなど)に伴う側弯症。
- 原因: 筋肉の弱化や緊張によるバランス不良。
- 症状: 座位の姿勢が保てない、呼吸機能の低下など。
- 進行性: 疾患の進行に伴って重症化する傾向。
4. 変性側弯症(Degenerative Scoliosis)
- 特徴: 成人になってから脊椎の変性(加齢による椎間板や関節の変化)で発生。
- 発症時期: 高齢者に多い。
- 症状: 腰痛や下肢のしびれ、筋力低下。
- 進行性: 年齢とともに進行することが多い。
5. 機能性側弯症(Functional Scoliosis)
- 特徴: 構造上の異常ではなく、筋肉の緊張や骨盤の傾きなどによって生じる。
- 原因: 姿勢の悪さ、不均衡な筋肉の使用、脚長差など。
- 症状: 一時的な湾曲で、原因が改善されると治ることが多い。
- 進行性: 構造的な側弯症には進行しない。
治療の選択肢
治療法は、側弯症の種類や重症度、年齢によって異なります。