首にある内臓とその機能

首にある内臓とは、首の前面に位置する甲状腺や喉頭などのことです。首にある内臓は、身体の代謝や呼吸、発声などに関与する重要な機能を持っています。首にある内臓とその機能には、以下のようなものがあります。

甲状腺

甲状腺は、首の前面にある蝶形の内分泌器官で、甲状腺ホルモンと呼ばれるホルモンを分泌します。甲状腺ホルモンは、身体の代謝や成長、発達などに関与する重要なホルモンです。甲状腺は、食事から摂取したヨウ素を利用して甲状腺ホルモンを合成します。甲状腺の異常は、甲状腺ホルモンの分泌量によって分類されます。甲状腺ホルモンの分泌量が過剰な場合は甲状腺機能亢進症と呼ばれ、首の前面にしこりができたり、手の震えや動悸、体重減少などの症状が現れます。甲状腺ホルモンの分泌量が不足する場合は甲状腺機能低下症と呼ばれ、首の前面がふくらんだり、倦怠感や体重増加などの症状が現れます。

喉頭

喉頭は、咽頭と気管の間にある器官で、声帯と呼ばれる組織を含んでいます。喉頭は、呼吸や発声、食道への異物侵入の防止などに関与する重要な機能を持っています。喉頭は、空気を吸ったり吐いたりすることで声帯を振動させて音声を発生させます。また、食べ物や飲み物を飲み込むときには声帯を閉じて気管への侵入を防ぎます。喉頭の異常は、声帯やその周囲の組織に影響することが多く、声や呼吸に関する症状が現れます。喉頭の異常には、以下のようなものがあります。

声帯結節：声帯にできる小さなしこりで、過度な発声や咳などによって引き起こされます。声がかすれたり低くなったりします。
喉頭癌：喉頭にできる悪性腫瘍で、喫煙や飲酒などがリスク因子とされます。声がかすれたり変わったりします。進行すると嚥下困難や呼吸困難などの症状が現れます。

首にあるリンパ系とその機能

首にあるリンパ系とは、首の前面や側面にあるリンパ節やリンパ管などのことです。リンパ系は、身体の免疫や排泄に関与する重要な機能を持っています。首にあるリンパ系とその機能には、以下のようなものがあります。

リンパ節

リンパ節は、リンパ液と呼ばれる体液を濾過する器官で、首には頸部リンパ節と呼ばれる複数のリンパ節があります。リンパ節は、リンパ液に含まれる細菌やウイルスなどの異物を捕捉して破壊することで、身体の免疫を高める役割を果たします。また、リンパ節は、白血球や抗体などの免疫細胞や分子を生成することで、感染症やがんなどに対抗する役割も果たします。リンパ節の異常は、感染症やがんなどによって引き起こされることが多く、首の腫れや痛みなどの症状が現れます。リンパ節の異常には、以下のようなものがあります。

リンパ節炎：リンパ節に炎症が起こることで、首の腫れや赤み、熱感などが生じます。原因は細菌やウイルスなどの感染が多く、抗生物質や抗ウイルス薬などで治療します。
リンパ腫：リンパ節にできる悪性腫瘍で、首だけでなく全身のリンパ節に影響することがあります。原因は不明ですが、ウイルス感染や免疫異常などが関係すると考えられています。化学療法や放射線療法などで治療します。

リンパ管

リンパ管は、リンパ液を運ぶ管で、首には頸部リンパ管と呼ばれる複数のリンパ管があります。リンパ管は、組織間液と呼ばれる細胞外液を回収して血液に戻すことで、身体の水分バランスを調整する役割を果たします。また、リンパ管は、細菌やウイルスなどの異物を運んでリンパ節に送ることで、身体の免疫を高める役割も果たします。リンパ管の異常は、感染症や外傷などによって引き起こされることが多く、首の腫れや圧迫感などの症状が現れます。リンパ管の異常には、以下のようなものがあります。

リンパ管炎：リンパ管に炎症が起こることで、首の赤い線状の腫れや痛みなどが生じます。原因は細菌やウイルスなどの感染が多く、抗生物質や抗ウイルス薬などで治療します。
リンパ管切断：リンパ管が外傷などで切断されることで、首にリンパ液が漏れ出して腫れや水ぶくれなどが生じます。原因は手術や事故などが多く、圧迫包帯や手術などで治療します。

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