椎間板ヘルニアとは何か？原因や症状、診断方法を解説
椎間板ヘルニアとは、背骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が、加齢や外傷などで破れて中身が飛び出し、神経を圧迫する状態のことです。椎間板ヘルニアになると、腰痛や坐骨神経痛などの痛みやしびれが起こります。椎間板ヘルニアは、腰椎（腰の部分）に多く発生しますが、頚椎（首の部分）や胸椎（背中の部分）にも発生する可能性があります。
椎間板ヘルニアの原因には、以下のようなものがあります。
長時間同じ姿勢で座ったり、重いものを持ち上げたりすることで腰に負担がかかる
加齢によって椎間板の水分や弾力性が低下する
運動不足や肥満によって筋力や血流が低下する
骨粗しょう症や関節炎などの基礎疾患によって骨や関節が変形する
椎間板ヘルニアの症状には、以下のようなものがあります。
腰部からお尻や足にかけての痛みやしびれ
足の筋力低下や反射低下
排尿障害や性機能障害
椎間板ヘルニアの診断は、主に以下のような方法で行われます。
問診：症状の発症時期や経過、生活習慣や既往歴などを聞く
触診：腰部や足部の筋肉や神経の反応を確認する
画像診断：レントゲンやMRIなどで椎間板の状態や神経の圧迫度を評価する
椎間板ヘルニアは、自己診断や自己治療をせずに、医師に相談することが大切です。医師は、正確な診断と適切な治療法を提案してくれます。
頚椎椎間板ヘルニアと腰椎椎間板ヘルニアの違い
頚椎椎間板ヘルニアと腰椎椎間板ヘルニアは、発生する部位が異なります。頚椎は首から肩にかけての7つの背骨で、腰椎はお尻から腰にかけての5つの背骨です。頚椎と腰椎では、負担や動き方が異なります。そのため、椎間板ヘルニアの原因や症状も異なります。
頚椎椎間板ヘルニアの原因には、以下のようなものがあります。
長時間同じ姿勢で首を曲げたり、パソコンやスマホを見たりすることで首に負担がかかる
交通事故やスポーツなどで首に強い衝撃が加わる
加齢によって椎間板の水分や弾力性が低下する
運動不足や肥満によって筋力や血流が低下する
頚椎椎間板ヘルニアの症状には、以下のようなものがあります。
首や肩、腕にかけての痛みやしびれ
腕の筋力低下や反射低下
手指のしびれやこわばり
頭痛やめまい
腰椎椎間板ヘルニアの原因には、以下のようなものがあります。
長時間同じ姿勢で座ったり、重いものを持ち上げたりすることで腰に負担がかかる
加齢によって椎間板の水分や弾力性が低下する
運動不足や肥満によって筋力や血流が低下する
骨粗しょう症や関節炎などの基礎疾患によって骨や関節が変形する
腰椎椎間板ヘルニアの症状には、以下のようなものがあります。
腰部からお尻や足にかけての痛みやしびれ
足の筋力低下や反射低下
排尿障害や性機能障害
頚椎椎間板ヘルニアと腰椎椎間板ヘルニアは、発生する部位が異なるため、治療法も異なります。頚椎椎間板ヘルニアは、手術治療が一般的です。腰椎椎間板ヘルニアは、保存治療が基本ですが、効果がない場合は手術治療も選択肢になります。また、新しい治療法として、椎間板内酵素注入療法もあります。医師は、自分の症状に合わせて最適な治療法を提案してくれます。
胸椎椎間板ヘルニアとは？原因や症状、治療法を紹介
胸椎椎間板ヘルニアとは、背中から胸にかけての12個の背骨である胸椎の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫する状態のことです。胸椎椎間板ヘルニアは、非常に稀であり、全体の1%以下と言われています。胸部にある臓器と密接な関係があるため、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
胸椎椎間板ヘルニアとは、背中から胸にかけての12個の背骨である胸椎の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫する状態のことです。胸椎椎間板ヘルニアは、非常に稀であり、全体の1%以下と言われています。胸部にある臓器と密接な関係があるため、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
胸椎椎間板ヘルニアの原因には、以下のようなものがあります。
椎間板の加齢による老化や、過度なスポーツが原因で引き起こる
胸椎が前後に曲がっているため、ストレスが多くかかる
胸椎が肋骨とつながっていて安定しているため、外傷などの誘因が見られない
胸椎椎間板ヘルニアの症状には、以下のようなものがあります。
脚に出てくる症状：太ももやふくらはぎのしびれ、痛み、筋力低下、歩行困難
背中や脇に出てくる症状：背中の痛み、肋間神経痛（脇に沿ったしびれや痛み）
膀胱や直腸に出てくる症状：排尿障害や排便障害（尿や便が出ない）
胸椎椎間板ヘルニアの診断は、主に以下のような方法で行われます。
問診：症状の発症時期や経過、生活習慣や既往歴などを聞く
触診：背中や脚部の筋肉や神経の反応を確認する
画像診断：レントゲンやMRIなどで椎間板の状態や神経の圧迫度を評価する
胸椎椎間板ヘルニアは、自己診断や自己治療をせずに、医師に相談することが大切です。医師は、正確な診断と適切な治療法を提案してくれます。
胸椎椎間板ヘルニアの治療法には、以下のようなものがあります。
薬物療法：非ステロイド性消炎鎮痛薬、アセトアミノフェン、オピオイド鎮痛薬、プレガバリンなどで痛みやしびれを和らげる
保存療法：安静にしたり、湿布や温冷パックをしたりする
手術療法：神経圧迫が強い場合や歩行障害がある場合は手術を行う。手術方法は前方固定術（体の側方から椎間板を切除して骨を移植する）と後方除圧術（後方から椎間板を切除する）がある
胸椎椎間板ヘルニアは、放置すると重篤な症状を引き起こす可能性があるので、早めに医師に相談しましょう。また、特別な予防法はありませんが、適度な運動や姿勢の改善、肥満の予防などで椎間板の負担を減らすことが大切です。
椎間板ヘルニアの新しい治療法として、椎間板内酵素注入療法が2018年から保険適応となりました。この治療法は、コンドリアーゼという薬剤を局所麻酔下に椎間板に注入することで、椎間板内の髄核を溶かし、神経への圧迫を緩和するものです。この治療法は、以下のような特徴があります。
椎間板ヘルニアを縮小させる唯一の薬剤である
皮膚切開をすることなく、簡便で低侵襲な治療である
効果が自覚できるまでには2～4週間程度かかる
一度のみ使用できる治療である
腰椎の椎間板ヘルニアに限られ、すべてのタイプに適応するわけではない
アレルギー反応や一時的な痛みの悪化などの副作用がある
椎間板内酵素注入療法は、保存治療と手術治療の中間的な位置にあたり、手術を回避したい方や軽度から中等度のヘルニアに有効な可能性があります。しかし、重度のヘルニアや神経障害がある場合は手術が必要になる場合もあります。また、この治療法はまだ新しいものであり、長期的な効果や安全性については十分に確立されていません。したがって、この治療法を受けるかどうかは、医師とよく相談して決める必要があります。
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