側弯症(そくわんしょう、Scoliosis)は、背骨が側方に湾曲し、ねじれを伴う状態を指します。その治療法は、患者の年齢、湾曲の度合い、進行のリスク、症状の有無などによって異なります。以下は一般的な治療法です。
1. 経過観察
- 対象: 軽度の湾曲(20度以下)で、成長期を過ぎている場合や進行のリスクが低い場合。
- 内容: 定期的なX線検査や診察を行い、湾曲が進行していないか確認します。
- 目的: 必要に応じて早期に介入すること。
2. 装具療法(ブレース療法)
- 対象: 中程度の湾曲(20〜40度)で、まだ成長期にある患者。
- 内容: 背骨の湾曲が進行しないように、装具(コルセット)を装着します。装着時間は通常、1日20時間以上推奨されます。
- 目的: 手術を回避するために進行を抑えること。
- 注意点: 装具を装着している間は運動が制限される場合があります。
3. 運動療法
- 対象: 軽度から中程度の側弯症、または術後のリハビリとして。
- 内容:
- 専門的な理学療法(シュロス法など)で姿勢の改善や筋力バランスを整えます。
- ヨガやピラティスも補助的に行うことがあります。
- 目的: 症状の軽減、姿勢の改善、生活の質の向上。
4. 手術療法
- 対象: 重度の湾曲(40〜50度以上)や、痛み・呼吸障害などの症状が顕著な場合。
- 内容: 背骨を矯正して固定するために、金属棒やスクリューを用いた手術(脊椎固定術)が行われます。
- 目的: 進行を止め、脊椎の安定性と機能を確保すること。
- リスク: 感染、神経損傷、手術後の痛みなどのリスクがあります。
5. 代替療法
- 対象: 症状の軽減を目指す場合や、他の治療と併用する場合。
- 内容: カイロプラクティック、整体、鍼灸など。これらは痛みの緩和や姿勢改善を目的として行われますが、側弯症そのものを矯正する効果は限定的です。
- 注意点: 医学的根拠が不足している場合もあるため、主治医と相談の上で利用することが望ましいです。
6. 生活習慣の改善
- 内容: 良い姿勢を維持すること、適度な運動を行うこと、栄養バランスを保つこと。
- 目的: 側弯症の症状を悪化させないよう日常生活で工夫する。
側弯症の治療は患者の状態に合わせて個別化される必要があります。早期発見と適切な治療が重要なので、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。
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