背中の痛みは加齢が原因？年齢とともに変化する背骨や筋肉の働き

背中が痛いと感じることはありませんか？背中の痛みは、加齢によって背骨や筋肉が変化することが一因ですが、それだけではありません。背中の痛みには、内臓や骨、関節など様々な部位から来るものがあります。また、日常生活で姿勢や運動不足、冷えなどが影響していることもあります。この記事では、背中の痛みの原因と対策について詳しく解説します。

背中の痛みの原因となる内臓の病気

背中が痛い場合、内臓から来る可能性もあります。心臓や膵臓、胆嚢、腎臓など、内臓器官に異常が起きると、その部位から神経を通じて背中に信号が伝わります。このような場合、胸や腹部だけでなく、背中にも激しい痛みが現れることがあります。以下では、内臓の病気による背中の痛みの原因と症状について紹介します。

心臓の病気

心臓の病気でも背中が痛むように感じることがあります。たとえば、心筋梗塞や狭心症、大動脈解離、肺塞栓症などです。激しい胸の痛みや息苦しさなどを伴うことが多く、肩や首など他部位に痛みが出ることもあります。特に、心臓から背中への血管が裂ける大動脈解離では安静にしていても引き裂かれるような強い痛みが生じ、痛みが移動するという特徴があります。いずれも急を要する病気です。症状が激しいときには救急要請を含めて検討しましょう。

膵炎・胆嚢炎など

膵炎は膵臓から分泌される膵液によって、膵臓周囲や膵臓自体に炎症が起きる病気です。主な症状は、みぞおちや背中の痛みです。多量に飲酒する人、高脂血症の人などはかかるリスクが高いといわれています。胆嚢炎は、何らかの原因で胆嚢に炎症が起きる病気です。主な症状は右上腹部の鈍い痛みですが、吐き気・嘔吐、背中の痛みが現れることもあります。膵炎・胆嚢炎共に早期の治療が必要な病気のため、激しい痛みがある場合には早期の受診を検討しましょう。

背中の痛みの原因となる骨や関節の病気・けが

背中の骨や関節に異常や損傷が起きると、それらから神経を通じて背中に信号が伝わります。このような場合、背中に鈍い・ズキズキする・ピリピリするなど様々な種類の痛みが現れます。以下では、骨や関節の異常や損傷による背中の痛みの原因と症状について紹介します。

椎間板ヘルニア

背骨は椎体という骨がいくつも連なってできていますが、この骨と骨の間でクッションの役割をしている椎間板が潰れたり、変形して飛び出したりした状態が椎間板ヘルニアです。

圧迫骨折

圧迫骨折とは、骨が負担に耐え切れずに潰れてしまう骨折で、主に背骨で起こります。特に骨がもろくなっている高齢者で多い骨折で、少ししりもちをついただけなのにずっと背中や腰の痛みが続くなどの場合、実は骨折していたなども珍しくありません。

急性腰痛症 (ぎっくり腰)

急性腰痛症は何らかの動作をきっかけに突然腰が痛くなる病気で、ぎっくり腰とも呼ばれます。ただし、まず、上記のようなほかの病気やけががないか検査する必要があります。運動習慣のない人や、重いものを持ち上げる機会の多い人に起こりやすいとされています。主な症状は腰や背中を中心とした痛みです。痛みの程度には幅がありますが、ひどい場合には動けなくなることもあります。