肩こりが引き起こすさまざまな病気とその予防法
肩こりは多くの人が経験する不快な症状ですが、放置すると重大な病気につながる可能性もあります。この記事では、肩こりの原因とメカニズム、肩こりに潜む病気とその症状、肩こりを予防・改善する方法について詳しく解説します。
肩こりの原因とメカニズム
肩こりは首から肩、背中にかけての筋肉が硬くなって血流や神経が圧迫されることで生じる症状です。長時間同じ姿勢を取ったり、眼精疲労やストレスが溜まったりすると、筋肉が緊張して血液や酸素の供給が不足し、凝りや痛みが起こります。
肩こりとは何か
肩こりとは、首から肩、背中にかけての凝りや張り、痛みなどの不快な症状の総称です。ひどいときには頭痛やめまい、吐き気などを伴うこともあります。肩こりは多くの場合、肩まわりの筋肉が緊張した状態が続いて筋肉が硬くなることで、血管を圧迫して血流が悪くなったり神経が傷ついたりすることによって生じます。血流が悪くなると筋肉にたまった疲労物質や痛みの原因となる物質がうまく排出されず、凝りや痛みなどの症状を引き起こすと考えられています。
肩こりが起こる5つの原因
肩こりが起こる原因は、日常生活の中にあることが少なくありません。以下に、肩こりが起こる主な原因を5つ紹介します。
- 姿勢：デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとることや、猫背などの姿勢の悪さは肩こりの原因になることがあります。特にパソコンやスマートフォンを使うときに、首が前に出る姿勢になっている方は注意が必要です。重たい頭を支えなくてはならず、首や肩、背中の筋肉が疲れて肩こりを引き起こします。
- 眼精疲労：眼精疲労も肩こりを起こす原因になることがあります。眼精疲労とは目を酷使し続けることによって、疲れ目や目の痛みなどの目の症状や、肩こり、頭痛、吐き気などの全身症状が生じた状態のことです。一時的な疲れ目とは違い、睡眠や休息をとっても十分には回復しません。眼精疲労は目に起きた何らかの異常で引き起こされることが多く、その中でも眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っていなかったり、初期の老眼の方が無理をして近くを見続けたりしたときなどによく見られます。近年ではパソコンやスマートフォン、テレビなどの画面の見過ぎによって眼精疲労を訴える方も増えています。
- 運動不足：運動不足の状態が続くと筋肉が衰えて疲労がたまりやすくなってしまうからです。また運動不足は血流の悪化にもつながり、これも肩こりを引き起こす要因になっていると考えられます。
- ストレス：ストレスも肩こりの原因になることがあります。ヒトは何らかのストレスにさらされると、自律神経の一つである交感神経のはたらきが活発になります。自律神経とは体中に張り巡らされている神経のうち、私たちの意思とは関係なくはたらいて体の機能を整える役割を担う神経の総称です。活発に動くときにはたらく交感神経と、休息時にはたらく副交感神経の2種類に分けられます。交感神経のはたらきが活発になると血管は収縮し、血流が悪化してしまいます。これがストレスによって肩こりが起こる理由の一つです。さらにストレスを感じているときには
肩こりに潜む7つの病気とその症状
狭心症
腱板損傷
肩こりを予防・改善する6つの方法
肩まわりの筋肉をほぐす
姿勢を正す
肩こりに潜む7つの病気とその症状
肩こりは単なる筋肉の疲労や血流の悪化だけではなく、重大な病気のサインである可能性もあります。以下に、肩こりに潜む7つの病気とその症状を紹介します。
狭心症
狭心症とは、冠動脈の血流が悪くなることで心筋が酸素不足になり、心臓機能の障害が発生する病気です。心臓には全身に血液を送るという重要な役割がありますが、心筋への酸素供給が不足すると、充分な血液を送ることができなくなります。1
狭心症の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化とは、血管の内壁にコレステロールやカルシウムなどが沈着してプラークと呼ばれるものが形成され、血管が細くなったり詰まったりする現象です。1
狭心症の主な症状は胸や背中、左肩や左腕に強い圧迫感や苦しさを感じることです。これを「 狭心痛 」といいます。1 狭心痛は運動や精神的ストレスなどで心臓に負荷がかかるときに起こりやすく、休息やニトログリセリンという薬で改善されることが多いです。1
しかし、休んでも改善されない場合や突然強い胸の痛みが起こる場合は、「 心筋梗塞 」や「 心不全 」といった重篤な合併症の可能性があります。1 心筋梗塞は心筋への血流が完全に止まってしまうことで、一部の心筋が壊死する現象です。2 心不全は心臓のポンプ機能が低下してしまうことで、全身に十分な血液を送れなくなる現象です。3
肩こりだけではなく胸や背中にも違和感や圧迫感を感じる場合は、早めに医師に相談しましょう。
腱板損傷
腱板損傷とは肩周りの筋肉の肉離れをいいます。4 症状は四十肩・五十肩と非常に似ていて、混同されやすいです。4 少し遠くにあるものを取ろうと腕を伸ばしたときに強い痛みを感じたり、痛みで腕が上がらないなどの症状が現れます。4
腱板損傷の原因は、肩関節の老化やスポーツなどでの過度な負荷や外傷などが考えられます。4 肩関節は人間の体の中で最も可動域が広い関節ですが、その分不安定で痛みやすい部位でもあります。4
腱板損傷の治療法は、損傷の程度によって異なります。軽度の場合は安静にして湿布や冷却剤を用いたり、消炎鎮痛剤を服用したりすることで自然治癒することがあります。4 しかし、中～重度の場合は手術を行ったほうがいいこともあります。4
肩の痛みが続いている場合は、整形外科を受診しましょう。
肩こりを予防・改善する6つの方法
肩こりは予防が大切です。予防するためには、日常生活で気を付けるべきポイントがあります。以下に、肩こりを予防・改善する6つの方法を紹介します。
肩まわりの筋肉をほぐす
肩こりは筋肉が硬くなって血流や神経が圧迫されることで起こるため、肩まわりの筋肉をほぐすことが効果的です。5 肩まわりの筋肉をほぐす方法としては、以下のようなものがあります。
- マッサージ：自分で肩や首を揉んだり、専門家に施術してもらったりすることで筋肉の緊張を和らげることができます。5
- ストレッチ：肩や首の筋肉を伸ばす運動をすることで血流を改善し、凝りや痛みを解消することができます。5 仕事中や寝る前などに数分間行うだけでも効果が期待できます。
- 温める：温かいタオルやカイロなどで肩や首を温めることで血管が拡張し、血流が良くなります。5 温める時間は10～15分程度が目安です。
これらの方法は自宅で手軽に行えるものばかりなので、日頃から試してみましょう。
姿勢を正す
姿勢が悪いと肩や首に負担がかかって筋肉が疲れやすくなります。 特にパソコンやスマートフォンなどを使う際には首が前に出る姿勢に注意しましょう。
肩こりを予防・改善する6つの方法
姿勢を正す
水分補給をする
姿勢を正す
姿勢が悪いと肩や首に負担がかかって筋肉が疲れやすくなります。 特にパソコンやスマートフォンなどを使う際には首が前に出る姿勢に注意しましょう。
肩こりを防ぐためには、以下のようなポイントに気を付けると良いでしょう。
- 背筋を伸ばして座る
- パソコンやスマートフォンの画面は目線の高さに合わせる
- 肩や首の筋肉を定期的にほぐす
- 重い荷物は両手で持つか、リュックサックなどで背負う
姿勢を正すことで、肩や首の筋肉にかかる負担を軽減し、血流や神経の圧迫を防ぐことができます。
水分補給をする
水分補給も肩こりの予防・改善に効果的です。 水分不足になると血液がドロドロになって血流が悪くなり、筋肉に酸素や栄養素が届きにくくなります。 これが肩こりの原因になることがあります。
水分補給の目安は1日に1.5～2リットルですが、汗をかいたり運動したりした場合はもっと多く摂る必要があります。 水分補給には水やお茶、スポーツドリンクなどがおすすめです。 コーヒーやお酒などは利尿作用があるため、逆に水分不足になる可能性があるので注意しましょう。
水分補給することで、血液の流れを良くし、筋肉の疲労や痛みを軽減することができます。
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